行定勲監督「北の零年」を見る。

小松原、いや三原のダメ人間ぶりが際立つ作品でした。
勿論それぞれ人間的に色々問題ある人もいますし、弱い人もたくさんいますけど、小松原はどうしてもダメだった。最後にいい人っぽい一言があったのがもっと嫌だった。
そもそも何しに戻ってきたの? いっそのたれ死んだと思わせているほうがまだマシですよ。許して欲しかったのか? それとも許されないことで迷いを振り切りたかったのか? それこそいまいましい。人間は楽な方へ流れるものでしょう。しかしあそこまで嫌な人だとまあいくら「希望を信じていれば、いつか真になる」と言われても、素直に感動できないんですよ。志乃さんのように生きることは難しすぎると思ってしまう。確かにありがちなハッピーエンドやカタルシスを求めていたわけではないんですが全く感動できない。
この作品はスティーブン・キングでいう「希望はいいものだ、たぶんなによりもいいものだ、そして、いいものはけっして死なない」というようなことを伝えたかったのだろうとは思うのですが……。
吉永小百合は綺麗だった。そしてギバちゃん(柳葉敏郎)はへたれで可愛かった。