石田衣良「池袋ウエストゲートパークⅣ 電子の星」を読む。

普段あまりハードカバーは買わないのだけど、本屋をふらついていた時に目に付いてつい買ってしまう。考えてみると私は、石田衣良はついハードカバーを購入してしまう確率が高いな。「4TEEN」も「LAST」も買ってしまったし。他にハードで買ったことがあるのは乙一恩田陸くらいか。でもハードはそれ一冊で文庫三冊購入できるので基本的には買わない方針に揺るぎはないぞ。
さて今回もマコトくんの正義感ぶりには脱帽だ。
作中でマコトが自分の将来なんて全く考えていない、どうなるかもわからない、ということを度々述べているけれども、それだけ人望とコミュニケーション能力と行動力があれば心配せずとも何でもやっていけるだろう。結局のところ頭も悪けりゃ才覚もない人間はどうなるんだろうってところが鍵だと思うんだけど、IWGPは予定調和な部分があって、絶対最後は前向きなカタルシスを味わって終わる。壁を破ってほしいとちょっとだけ思った。別に後味の悪いのを期待しているわけではないんだけど、マコトはヒーローで、タカシは冷たくて熱い王様で、Gボーイズは失敗のない戦闘部隊で、最後は軽く苦味のあるハッピーエンドで、現実味がないな、なんて思ってしまったのだ。
作中でマコトとタカシが映画に行く約束をしていたが、何見に行くんだろうと考えただけで口元が笑える。