松尾スズキ「大人失格 −子供に生まれてスミマセン−」を読む。

面白い。終わり。
やばい、巻末の解説と同じネタじゃないか(笑)
別に松尾スズキ自身はこの本を読んだ読者が「面白い」以外の感想を抱くことを期待はしてないと思うが、一つだけ印象に残ったのは「バックファイヤー型ナルシシズム」という言葉であることをここに書き記す。
松尾スズキいわくナルシストには二種類あるという。一つは、鏡をうっとり見つめる系の正統派、もう一つは「今は自分はこんな有様だけど、本当の自分はもっと凄いんだ。だから、そうでない俺は嫌い」という自己否定に向かうタイプ(これがバックファイヤー型ナルシシズム)だそうである。一理ありますね。自分が嫌い嫌いという人はつまり現状の自分に満足できていなくて、たとえなんとか今自分がそれなりに毎日を乗り越えて生きていくことが出来ていても「本当の私はこうではない」「こんなことやってていいのかな」「こんな自分は嫌いだ」となるわけなのですね。で、自分より下を見て「俺はあいつよりいけてる」とか思ってみたりして、さらにふっとそんな自分に自己嫌悪して上を目指そうと思っても、持久力がなく疲れてしまってまたダラダラと過ごしてしまってまた自己嫌悪。
「俺はこんなもんだ」とさっくり現状を受け入れることが出来ればそんなに自分を嫌いになることはないと思うので、ダメな自分を受け入れられないのはやっぱり、自分は本当はもっとできるはずという自己愛の一種ということでしょう。
とすると私もそうだ。