スピッツ「スーベニア」を聴きまくる。

スーベニア

スーベニア

HMVで購入したらポストカードがついてきました。
で、それから丸一日、といっても昨日の夜と会社の行き帰りと、今もですけど、ずっと聞いています。やっぱりスピッツの世界は独特なのに懐かしく馴染み深く、「帰ってきた」という気分です。スピッツは私にとって一生モンです。
さて、それはさておき今回は全体的に明るくてポップ色が強く、あまり尖っていないアルバムに仕上がっています。あくまで私の好み的にはもっとガツガツ来てほしい部分がありましたが、それはアルバムのカラーってことで別にいいんです。だけど今回は、はっ、とさせられる歌詞が少なかったのが少し残念だった。
うわっこの人はこんな風に言い放ってしまうんだ! みたいな衝撃と感動が味わいたい。たとえば例えば……スピッツの俺のすべて「山のようなジャンクフーズ 石の部屋で眠る 残りものさぐる これが俺のすべて」とか、孫悟空「ああ狂いそうな時をひきずって 新しい十字路を目指す」とか、スネオヘアーのアイボリーの「増長する欲望と内に秘めた迷いが今日もうるさくて そううるさくて」とか、小沢健二のさよならなんて云えないよ「本当はわかってる 二度と戻らない美しい日にいると そして静かに心は離れていくと」とか、流れ星ビバップの「薫る風をきって公園を通る 汗をかき春の土を踏む 僕たちがいた場所は遠い遠い光の彼方に そしていつかすべては優しさの中に消えてゆくんだね」とか、ある光の「この線路を降りたら 全ての時間が魔法みたいに見えるか?」とかそういう言葉。メロディーに乗った時に生まれる強烈な衝撃が欲しい。ぱっと思いついた例が偏っているのは勘弁してください。スピッツの三日月ロックに収録されているけもの道の「東京の日の出すごいキレイだなあ 昨日のにごりもどこへやら さえない話に感動しまくり なんで 飛びそうだ」なんてすごいよ。誰にでもそういった瞬間はあるんじゃないかと思っていますけど、ゴミのようにフラフラ生きていても、ふっと心から世界はすばらしいとか嘘じゃなく思えるあの瞬間のことをこうまで鮮やかに思い出させてくれる歌を他に知らないんです。この歌いいよ、とかあったら教えて下さい。
それはさておき、スーベニアの世界に浸っていると会社に行きたくなくなるんですが何故でしょうか。もうこのシェルターから出て行きたくなくなってしまって危険。やっぱり最初はキャッチーな曲「甘ったれクリーチャー」「ほのほ」「ワタリ」「テイタム・オニール」なんかに強く惹かれます。そしてシングルで聴いた時にはそこまで素晴らしい!と思わなかった「正夢」が今になってひどく良い。「ずっと まともじゃないって わかってる」のところで、「わかってるんだ! わかってるのにそういう風に言い放ててしまうんだマサムネ!」と妙に嬉しいような泣きたいような共感と切なさに似た感動を覚えます。甘ったれクリーチャーもいいな。「甘えたい 超えられる? わからない 今はただ」こういう歌詞の細切れのつながりに弱いんだ。曲調もちょっとロック調に跳ねていて好みです。
スピッツのあまったれツアー、一般発売にチャレンジ、当然のように私はチケットはとれなかったものの、友人のおかげでNHKホールに行けることになりました。嬉しい嬉しい。君に会いにいくよ! 三階席だけど!(笑)