米本和弘「カルトの子 −心を盗まれた家族−」を読む。

宗教にハマってしまった人(カルトの人)たちの気持ちを考察したり、彼らが起こした事件を中心とした本はたくさんあるけども、そういったカルトな親を持ってしまった子供たちのことを綴った本というのはあまりない、ということでその子たちを取り上げた本。
なんとなく興味があって読んでみた。
子は親を選べない。カルトの子として生まれた悲劇。読めば読むほどうすら寒い。どうしょうもなく宗教ってうさんくさい。我が子も幸せに出来なくて何が宗教だっつーの。勿論世の中に人のを救うことが出来る宗教というものが存在しているであろうことは重々承知しているのでこの言い方は公正でないかもしれないけど、どうしても目に付くのは異常な宗教ばかりだ……言い換えよう、カルトはうさんくさい。
この本に興味があった理由。たいしたことではないけど、私は小さい頃まさにここにのってるヤマギシに母親に体験入学させられたことがあって、他にも母親がサイババの写真を持っていたりとか、変な集まりに行かされたりとか色々あったけど、母親は飽きっぽいのか疑り深いのか、一つの宗教にハマりこむことはなく、それらの体験が私に残したものは「宗教は胡散臭い」というはっきりとした概念だけだったので、それはそれでよかったんだけど、なんとなくあの頃の数年間(小学校くらい)ああいった場所の特殊な空気を思い出すと、あれはなんだったんだろうと考えてしまう。だから興味があったのです。
こういう風に無条件に親に宗教にひきずりこまれて、自我と協議と親の愛と放置と社会生活と色んなものにバラバラに心を引き裂かれている子供というのはもうやるせないですね。心が暗くなります。やっぱりカルトはおかしい。
それって宗教じゃなくてもそうだと思います。
何かに妄信的、盲信的、狂信的にハマりこんでしまうことは、たとえその対象が宗教でなくて、芸能人やアイドルやミュージシャンであったり、恋人、親、学歴、思想、インターネット、なんであったとしてもバランスの崩れた行為だと感じてしまう。でもリアルタイムでハマってる人っていうのは、自分のバランスが崩れている自覚を持つのが難しいんだろうな。
私は多分一生無宗教