ナイロビ+三鷹市芸術文化センタープロデュース「早春ヤングメン」「気ままにミッドナイト・タイフーン」@三鷹市芸術文化センター星のホールを観劇してきました。

全く別個のお芝居なのですが、どうせならってことで一日でマチネソワレと続けて観劇してきました。どちらも村上大樹さん作・演出ながら、まったく真逆のテイストの芝居(と当日パンフレットにも書いてありました)でした。
早春ヤングメンは、高校生たちが主人公のドタバタに高校演劇テイストを加えた、笑いあり苦味ありのストレートなお芝居。毛皮族町田マリーさんを楽しみにしていったのですが、やはり非常に美人でかっこよくて素敵でした。他の役者さんも拙者ムニエルの人など見たことのある人から、全く見たことのないオーディション組の人たちまで、大勢の登場人物がそれぞれキャラが立っていて面白かったです。不良軍団の金髪の女の子が役にハマってたな。この混沌とした青い感覚、ああ、高校時代に戻りたくなりました。あと、このチラシを書いているのがASIAN KUNG-FU GENERATIONのCDジャケットを書いている人でした。東京モード学園のポスターとかも書いてましたよね。忙しそうだ。そういえばGOING UNDER GROUNDのジャケットを書いている宮尾さんも最近書店で本の表紙イラストを書いているのを2つほど見たなあ。
気ままにミッドナイト・タイフーンはうってかわってナンセンスではちゃめちゃなコント芝居。「同じセットを使って違う芝居を」とパンフレットにありましたが、これ、別にこの学校のセットである必要ないじゃない(笑) 演劇弁当猫ニャー池谷のぶえさんが紅一点だったんですが、周りの男の人たちに全く負けていない、すごいパワー。普通男の人たちの中に混じった女の人っていうのはどうしてもパワーで押し負けるか、それとは違う女としての方向で存在感を出すかのどちらかになってしまうと思うんですが、どちらでもなくて、それなのに質量がきちんとある存在感というか、池谷さんはすごいです。あと拙者ムニエルの加藤啓さんは普通にかっこいいです……かっこいいよ! 辻さんは面白くて細くて絶妙な動き。小手さんはノーマルな突っ込み役から気持ち悪い役まで存在感たっぷりにこなすいい役者さん。千代田さんはヒゲで濃い。登場人物は総勢6名ながら、お昼から中華飯店でお腹いっぱい詰め込んだぐらいの後味の残る濃厚な舞台でした。気を抜くとやられる! みたいな……(何言ってるかわかりませんね)ええ、面白かったです。

岡嶋二人「クラインの壷」を読む。

クラインの壺 (講談社文庫)

クラインの壺 (講談社文庫)

宇都宮まで遠いので電車の中で読むために急遽駅の書店で購入。
高畑京一郎の「クリス・クロス」と同じストーリー。勿論詳細は違いますが大枠が一緒でした。初出はこっちのほうが先なのでしょうか? バーチャル世界と現実の区別がつかなくなるっていうのは結構よくあるネタなのかな。

GOING UNDER GROUND tour "h.o.p.s." @宇都宮VOGUEに行ってきました。

はるばる宇都宮遠征〜。せっかくですんで観光などして宇都宮を堪能。ツアーグッズはTシャツがイマイチ好みではなかったのでタオルのみ購入。ライブ終了後、パンフレットも買おうと思ったのですが売り切れ……しょんぼり。MCでジャパネットナカザがいつもどおりグッズ紹介をしていた時に、パンフレットの中にあるGOING辞典がいい、と言っていたので買おうかと思ったのにな。チケットはファンクラブ番号のためかなり前に行けたんですが、開演前から結構詰まってきてて押されてさらに前へ。あれは一体何人ぐらい入っていたんだろう? SOLD OUTで当日券も出てないってことはそこそこ入ったんだろうな。はじまったライブはいつも通りの熱気と盛り上がり。もみくちゃで汗だくになって腕を振り上げるのは大変楽しかったです。ナカザの着ていたTシャツの胸の「NKZ」って、ナカザってことですか!教えて中澤先生!
素「石原聡、今日の髪型どうですか! 直前でセットしてたんですけど、なんとか決まったようです」いっさんの髪型はくりくりパーマでちょっと外人の人のよう。だけどやたら似合ってる。カッコイイと何しても似合うねっ。
中「ていうかこの中、餃子食べてきた人いるでしょ! さっきから熱気とあいまって、餃子のにおいがこっちまで……あ、いいんですよ! 全然平気なんだけどね。俺らは終わってから餃子食べような」
素「俺は、気づきましたよ!」中「何に?」素「よういっさんが痩せたんですよ。お酒とか好きだから、腹とかね、あれだったんですけど、ダイエット成功しまして、で、どうやって痩せたのかを聞いたら、ご飯を一切食べなかったそうです」客「おお〜」素「で、そうだよなー、俺もがんばらなきゃなーと思ったんですけど、俺の家にあるお茶碗ね、どんぶりなんですよ!」客「ええ〜」素「だから昨日百円ショップで小さなお茶碗買って来ました。そうしたら1杯半くらいでおなかいっぱいになりました。これから頑張ります」中「それに昨日気づいたの?(笑)」笑ってる場合じゃないよ中澤さん、あなたも頑張って!
素「昨日夢を見ました。小倉優子が……」客なぜかここで笑う。素「俺に結婚を申し込んできまして」客「おめでとう!」素「丁重にお断りしました」客「ええー!」「もったいない!」素「おいもったいないってなんだよ!」
中「なんか盛り上がって餃子の匂い気にならなくなってきた! むしろさわやかな香水の香りがふわーっとね」素「あ、それ俺」中「ええ?」素「俺シャネルの5番だから、覚えといて」素生さん、シャネルの5番って言ってみたかっただけだろ!!
アンコール。出てきた時に気の抜けたような声で「アンコールありがとうございまーす」と言うソウさん。中「馬鹿にしてんのか!」客笑。客席からジョーさん!の掛け声。丈「それは……あれだね……ありがとうございまーす(ソウさんと同じように気の抜けた感じで)」客笑。中「このツアーはね、ユーモアを取り入れてね」
恒例のグッズ紹介。ナカザのお勧めはなんといってもパンフレット。中「この語録が面白いんですよ。俺たちが日頃使っている言葉とかがかなり詳しく解説されていて、ライブ中『あの人たち何言ってるんだろう〜?』って疑問が解けます」素「たとえば一個……『いっさん、イェー』」中「いっさん、イェー」いっさん鼻をこする。素「……とまあそんな感じでね! 意味が知りたいときはパンフレット買ってください」中「(笑)教えてあげろよ」素「イェーってのは、たとえば鼻毛が出てるとか鼻水が出てるとかチャック開いてるとかそういう時に、言葉に出して注意すると、皆さんの前のこういう場だと恥ずかしいじゃないですか、だから、たとえばいっさんに注意する時には『いっさんイェー』」中「違う違う『いっさんチャックイエー』(←やたら外国語風に流暢に)」客笑い。中「こんなふうに。『ジョーさん鼻毛イェー』とかね」このあたりのMCやたら面白かった。
ソウさんは前回約束したからと宇都宮の歌(?)を作ってくる。すっかり忘れてたけど2日前に思い出して作曲したそうで、歌詞中に宇都宮の大通り「オリオン通り」を登場させたほんわか系の曲。が、しかし、ソウさんはオリオン通りをオニオン通り(?)と勘違いしていて間違えて歌う。後で突っ込まれる(笑)
丈「今日はありがとうございました。こないだはホールとかでやってたんですけど、今日ここでやって、こういうライブハウスもいいなあと思いました。また帰ってきます、ありがとう!」

SPITZ JAMBOREE TOUR "あまったれ2005" @NHKホールに行ってきました

Tシャツと携帯電話フィルタ

なんて言えばいいんでしょう。とにかく最高でした。
正宗さんの少しかすれて伸びる声が唯一無二のものであること、崎ちゃんのドラムの正確さと手数の多さと絶妙のニュアンス、ふと気づけばうねるメロディを奏でているやたらカッコイイ田村さんの男気ベース、てっちゃんの繊細なギターと面白いトーク。そして勿論キーボードの久慈さんも含め、歌、演奏、メロディ、歌詞、スピッツを形成するあらゆるすべてのものがあまりに上質であることに気づかされます。押し寄せる音の波があまりに圧巻で心地よい。陶酔。音って波動なんだね(ぼうっとしてもう何かヤバイ状態)愛のことばと青い車と渚とシュラフが聞けただけでもうあと5000円だって払える。本当だ。そして目の前のSpitzbergenの入会案内書をにらみ、今入会して後半のツアーの先行発売をとろうか迷っている私です。それより先にオンラインメンバーかな。
以下はMCうろ覚え書きなぐり(精度は保障できません)
草「今日は来てくれてありがとう!」客「いえーーい!」草「二階席ー!」二階「いえーーい!」草「三階席ー!」三階「いえーーい!」ここで草野さんコール&レスポンスをやめてしまう。一階の客「一階はー?」草「え?」一階「一階はー?」草「一階はほら、見えてるからさ」ここで一階席の女の子「やってー!」「やってー!」と叫びだす。と、テツヤさんマイクに近づき「女の子がヤッテとか言うんじゃない!(シャウト気味に)」これすごい面白かった。
草「今日は雨の中ありがとう……雨ふってる?」客「やんだー!」草「やんだ? 春ですね。春と言えば、花粉症。鼻水がね、出ますよね。そこでちり紙をさっと差し出してくれたりする人と恋が生まれるかもしれませんよね」テツヤ「ティッシュ配りだったらどうするの?」草「え?」テツヤ「ティッシュ配りのお兄さんだったらどうするの」草「それは……ご利用は計画的に」草「これ以上ゆるくならないうちに曲行きます」確かにゆるーいMCで草野さんがよくわからないこと喋ってるイメージばかり残ってる。
草「春ですね」今日の草野さんはやたら春にこだわる。草「春と言えば一つ思い出がありまして……昔、上京した時、国分寺の風呂なしアパートに住んでいる友達がいたんだよね。その友達のアパートがこう、カンカンカンって登る階段で、俺がそこに遊びに行ったときに、階段から落ちたんです」客「えーー」草「降りようとした時に、こうズダダダダっと落ちて、すごく痛くて、尾てい骨のあたりから血が……」客「えーー!!!」草「でもあの、悪いことの後には必ずいいことがくると思い込むようにしてるので、その時も、ああこれできっといいことあるぞ、と思いこんで乗り切りました!」草「なんかちょうどいい感じの話題だった……」と言いながら次の曲「アパート」へ。
草野さんが原宿へ行った話。草「俺、上京してきた時に、18歳の時にあの噂の原宿には行っとかなくちゃと思って、行ったことがあるんですよ。だけど、竹下通りのあの人ごみに圧倒されて、自然と代々木公園の方に歩いてきてしまって」客ややうけ。草「だけど、それじゃダメだと思って、原宿に行かなくちゃと思ってですね。今スヌーピーのお店があるところ、あそこには昔露天がぱぱぱっと並んでたんですよ。そこに行って、1000円の大きなペンダントとしましまのベレー帽みたいなのを買って、それつけて、帰りましたよ」
アンコール中、メンバー紹介。草「ベース、田村アキヒロ!」しばしの歓声の後、田「……田村です。こないだ、佐野市っていうところでライブをやったんですが」草「栃木県の」田「栃木県の。そこはドラムの崎ちゃんの出身地なんですけど、アンコールが『さーきやま、さーきやま』って……」田「今のアンコールは普通だったので俺ら普通に出てこれたんですけど、その時はうーん出て行っていいのかなあ……って」田「あとスタッフさんがタクシーに乗って、打ち合わせをしながら乗ってたのね。そうしたらタクシーの運転手さんが『今日は崎山さんのライブがあるんですよね!』って言うんだよ。スピッツのライブじゃなくて崎山さんのライブ!」田「だから崎ちゃん市長選挙出ればいいのにって言ってて、きっと挨拶は『(ちょっと低い声で)どうも、崎山です……』……なんだっけ!?」←言おうとしていた続きの台詞を忘れたらしく、ええと、あの歳の方に言うのは間違っているとは思うのですが、ひじょーにかわいかったです。草「きっと演説の時もこう後ろからすーっとマイクが出てくるんでしょ」普段崎ちゃんがコーラスをするときは、崎ちゃんの真後ろからすーっとマイクが出てくるんです。草野さんうまい! 田「まああの、崎ちゃんのこの事件は俺にとってみんなにどうしても伝えたかったことということです!」
草「キーボード、クージー!」久「どうも久慈です。皆さん、さっきやった曲がテイタム・オニールという曲だということはご存知でしょうか?」客拍手。最新アルバムの曲を知らないわけないよ! 久「先ほど楽屋でてっちゃんがティータイム・オニール、と言い間違えてました。噛みまくりのてっちゃんが間違えてました。これを皆さんにちくっておこうと思います。ありがとうございました」
草「ドラム、崎山龍男に清き一票を」崎「どうも崎山です。(お辞儀するふりをして、シンバルにがっしゃんと頭ぶつけるネタ)よっし、これで主婦層のハートをがっちりゲット。あのー、俺、昔、パールってドラムメーカーのサマー強化合宿に行ったことがあるんですね。そこで、ドラム勝ち抜き合戦というのがあって、ドラムバトルで勝ち抜いていくんです。勝ち抜きというからには、当然、こう激しいドラムプレイを期待されているわけじゃないですか。でも当時下手だった俺は普通にやっても勝てないと思って、それで、ネタに走った」草「今みたいな」崎「そう、ネタに走って、生徒には馬鹿ウケだったよ。それで俺、優勝しちゃったんですよ!」草「ネタで!」崎「次の年から、その合宿ではドラム勝ち抜き合戦はなくなってました」草「みんながネタに走ったらしょうがないよね。椅子に頭ぶつけるとか」崎「そうだ昔、15年前ぐらい前のライブで、椅子を叩くというネタをやって、テツヤに『いよぉーーっ』って言ってもらって、ポンッ、と叩くという」ここで崎ちゃんそれを実演。座ってた丸椅子を顔の横に持ち上げて、ポン、と叩くと同時にバスドラを鳴らす。草「でもその時、いきなりやったから照明さんと打ち合わせしてなくて崎ちゃんにライトあたってなかったんだよ。暗闇の中で」テツヤ「俺が『いよぉーっ』って言ってるから俺にライトあたってて、崎ちゃんは暗闇の中」草「打ち合わせしてないとそうなるよね」
草「ギター、テツヤ!」テツヤ「どうも、インリンオブジョイトイです」客微妙な反応。テツヤ「ジョイトイです」草「今、インリンオブジョイトイですって言った時に、お客さんから『やってー!』っていう反応が……」草野さんとてっちゃん、やるのか? と微妙に笑ってる。横から田村さんが口を挟んだらしく、テツヤ「田村、余計なこと言うな!」テツヤ「(唐突に)いやあでも成長したよね! 草野成長したよね!」 意味わからず客席ざわざわ。テツヤ「はい、いい感じにシーンとしてきましたね」 これ絶妙のタイミングで面白かった。
テツヤ「ボーカル、草野正宗!」草「どうも、今日は本当にありがとうございます。もう人生の半分くらいスピッツやってるんですが、今日ここが、今日ここが新たなスタートだと思って、がんばりたいと思います。とにかく続けていきたいと思います。売れなくなって、代々木公園とかでアコギで弾き語りやってるかもしれませんけど、とにかく、続けていこうと思います。これからもよろしくお願いします」
あと番外。面白かったお客編。曲の合間にメンバーの名前を叫んだりしますよね。曲が終わってシーンとなった瞬間に「正宗大好きー!」これは普通なんですが、今日はすかさず「あたしもー!!」と叫び返した人がいて、思わず客席からも笑いが漏れていました。客席内コール&レスポンスかよ! あなたが今日のお客のMVP。
ああもう、なんというか感動した。草野正宗の声は他にないし代わりもきかない。楽器隊の演奏はあまりに圧巻でもう言葉がない。大好きだ。スピッツ
画像は、ツアーグッズのTシャツ(パープル)Sサイズと、赤いのが携帯電話用フィルターです。

時雨沢恵一「リリアとトレイズ」を読む。

キノの旅を書いている人です。真面目にライトノベルの一押し作家です。リリアがアリソンと同じ性格になっていて笑う。アリソンは、アリソン→ヴィルだったのに対し、これはトレイズ→リリアなので、トレイズがやたら好感度高いです。まだ一巻、しかも非常に続きが気になるところで切られてる。早く次を出してくれ〜。ガンガン出張ってくるアリソンとヴィルと英雄さんとフランチェスカもその調子で出し続けてほしいところだし、うん、もうちょっと分厚いお話でもいいんだよ、時雨沢さん!

野沢尚「砦なき者」を読む。

砦なき者 (講談社文庫)

砦なき者 (講談社文庫)

破線のマリスが面白かったから、同じテレビ業界を描いたこれが面白くないわけはないと思ったけど、やっぱり面白かった。八尋には是非生き残ってもらって、化けの皮が剥がれた後の答弁が見たかった。

野沢尚「呼人」を読む。

呼人 (講談社文庫)

呼人 (講談社文庫)

設定がいいよね。あと、冷静なようで冷め切らない熱さだったり、ストーリーの壮大さだったり、続きが気になってぐいぐいと一気に読んでしまった。秀逸だったのは、厚介の地雷原の一連の語りと、呼人がアメリカの田舎の波打ち際でぼくは生きたいんだと叫び続けるあたり。そこで前半のクライマックスが終わり、後半は少々だれ気味。最後を期待したんだけど、そこもありがちに終わる。ちょっと惜しい。